【FX取引】【FXで動く時間帯について】市場別の取引規模、世界の証券取引所の取引時間等【まとめ】

【FX取引】は、概ね24時間取引が可能ですが、相場が動きやすい時間があります。特に欧州(ヨーロッパ)、北米(アメリカ)の市場が開いている時間は、相場参加者が最も多くなり、取引の流動性(取引量が多い)が高くなります。また、それら欧州(ヨーロッパ)、北米(アメリカ)市場が開いている時間は、重要な経済指標も発表されるため相場が動きやすくなります。【FX取引】をする方は、これらの時間を把握しておくと効率的な取引が可能です。また、欧州(ヨーロッパ)、北米(アメリカ)では、夏場と冬場に夏時間、冬時間を設けているため、時期により重要な時間が異なります。これらを理解し【FX取引】することで、利益を上げやすい時間に取引を行い、効率を上げることが可能です。



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目次

三大市場の時間を把握する

【FX】取引には、相場が動きやすい時間があります。動きやすい時間は、取引量が多くなる時間です。取引量は、各国にある証券取引所の取引量で判断することが可能です。三大市場はロンドン(イギリス)、アメリカ(NY)、東京と言われています。先ずは、取引量の多い市場を把握し、それらの市場で動きやすい時間を理解する必要があります。


三大市場の取引量

三大市場は、その取引量も多く市場流動性が最もある市場です。流動性が高まるため、値動きも多く利益を上げやすい時間になります。時間がない人は、この時間だけ取引を行うだけでも利益を上げることが可能です。特にロンドン、NYの時間帯はおすすめです。

市場 取引額 シェア
ロンドン 2兆4260億ドル 37.1%
NY 1兆2727億ドル 19.4%
シンガポール 5170億ドル 7.9%
香港 4370億ドル 6.7%
日本 3990億ドル 6.1%

国際決済銀行(BIS)が発表している統計から三大市場の規模を確認することができます。2016年の1日当たりの外国為替の取引額割合は図のようになっています。ロンドン市場は37%の取引量を占めており、東京市場の約6倍、NY市場の約2倍となっており圧倒的な取引量になっています。従って、FX取引ではロンドン市場、ニュヨーク市場が開いている時間を中心に考えることで、より効率的な取引が可能になります。近年の取引量は、東京が香港、シンガポールの取引量を下回るデータになっています。これらの市場を含めて5大市場と言っても良いかもしれません。


主要国の取引時間

外国為替(FX)市場は、土曜日、日曜日を除き24時間動いています。スタートはウェリントンからはじまり、シドニー、東京、香港、シンガポール、ロンドン、ニューヨークと市場が移動していきます。【外国為替(FX)市場】といってもどこか特定の場所があるわけではなく、それぞれの都市の朝から夕方までの時間で多くの取引が行われている時間を示しています。つまり、【東京時間】、【ニューヨーク時間】と言うのはあくまでも、多くの人が活発にトレードしている時間を示していて明確な時間の区切りはありません。


時間帯別の特徴


オセアニア時間(6時~8時)

オセアニア時間は、ニュージーランド(ウェリントン)、オーストラリア(シドニー)市場がメインの時間帯です。取引量も少ないことと、ニューヨーク市場が終わった直後であるため相場が動きにくい時間帯です。

但し、月曜日の朝に限っては相場が動きやすい時間です。これは、週末に起こった経済てきな変化に反応するためです。


東京時間(8時~15時)

東京、香港、シンガポール等の市場が開き、アジア圏の取引が活発な時間帯です。日本市場では、ゴトー日と呼ばれる5日、10日の付く日は日本企業の決済日であることが多く、海外への支払いのためにドルが多く買われる傾向があります。10時を過ぎると緩やかな値動きになる事が多く、3大為替市場の中でも特にレンジ相場となる事が多いのがこの時間の特徴です。


欧州時間(15時~21時)

ヨーロッパの市場が開くと取引量が一気に増加します。欧州市場の多くはロンドン市場で取引されます。ユーロやポンドと言った欧州通貨が活発に取引され、ユーロ圏の経済指標がある場合等は特にその値動きが大きくなります。FX取引を行う場合はおすすめの時間帯です。


ニューヨーク時間(21時~6時)

21時を過ぎるとニューヨーク(アメリカ)市場も開き、欧州勢に加え、アメリカの取引も加わり取引量が最も多くなる時間です。特に21時~2時辺りは、ロンドン市場とニューヨーク市場がともに開いている時間帯なので、FX取引時間帯の中でも一番活発になる時間帯です。2時を過ぎるとロンドン市場も閉まり、落ち着きを取り戻しますが、アメリカの経済指標が発表される場合は再度活発な動きになる場合があります。



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主要国の証券取引所の取引時間

証券取引所の取引時間について整理してみました。証券取引は、為替レートに影響を与える場合も多く、特に取引開始時間、終了時間には注文が多く入る場合もあり、為替相場も同時に動く場合があります。主要国の証券取引所の開始時間、終了時間については、頭に入れておくようにしてください。


北半球

特に重要な時間は、取引量が多くなるロンドン、ニューヨークの時間です。

証券取引所 夏時間(日本時間) 冬時間(日本時間)
日本 東京 開始:9:00
終了:15:00
開始:9:00
終了:15:00
シンガポール シンガポール 開始:10:00
終了:18:00
開始:10:00
終了:18:00
中国 上海 開始:10:30
終了:16:30
開始:10:30
終了:16:30
中国 香港 開始:11:00
終了:17:00
開始:11:00
終了:17:00
ドイツ フランクフルト 開始:16:30
終了:0:30
開始:17:30
終了:1:30
イギリス ロンドン 開始:16:30
終了:0:30
開始:17:30
終了:1:30
アメリカ ニューヨーク 開始:22:30
終了:5:00
開始:23:30
終了:6:00

アメリカの夏時間:3月第2日曜日~11月第1日曜日
ヨーロッパの夏時間:3月最終日曜日~10月最終日曜日


南半球

証券取引所 夏時間(日本時間) 冬時間(日本時間)
ニュージーランド ウェリントン 開始:7:00
終了:13:45
開始:6:00
終了:12:45
オーストラリア シドニー 開始:9:00
終了:15:45
開始:8:00
終了:14:45



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三大市場で重要な時間


オープン直後

証券取引所がオープンした直後は注文が増えるため相場が動きやすくなります。特に世界一のロンドン市場のオープン時は、それまでの時間を否定するような動きになったりする場合も多く目が離せない時間帯です。


クローズ直前

証券取引所がクローズする直前の時間帯は注文が増えるため相場が動きやすくなります。


経済指標発表直後

経済指標は、経済の状況に関わるため、指標発表後等に大きく相場が動く場合があります。特に重要な経済指標は、英国やヨーロッパの経済指標。アメリカの経済指標です。具体的には、毎月第1木曜日に発表される欧州中央銀行(ECB)政策金利(ヨーロッパ)、毎月第一金曜日発表される米雇用統計(アメリカ)、年8回開催されるFOM(アメリカ)等があります。

・FXで重要な経済指標(現在作成中)


ロンドン・NYの同時オープン時

先程の統計から、ロンドンとNY市場で全世界の市場の約60%を占めると言えます。従ってロンドン、NYが同時にオープンしている時間帯は特に相場の流動性が高くなると言えます。


ロンドンフィキシング

フィキシング(値決め)のことを言い、正確には、金(Gold)のスポット価格を決定することを意味ししています。ロンドンフィキシングの時間帯は、外国為替市場では有価証券の決済に絡んだオーダーが多いと言われます。

一般にロンドン市場は、金などの貴金属の現物取引において、世界でも重要な位置を占める市場です。ここで決定される金価格は世界的な金の価格指標となります。また、金は通常、ドル建てで取引されており、ロンドン・フィキシングによって、ドル資金の需給関係にも影響を与えることから、この時間帯に為替相場が大きく動くことがあります。

ロンドンフィキシングとは、民間企業のWM/ロイターがロンドン市場16時に算出している為替レート(時価公表サービス)のことです。為替取引だけでなく、株式・債券などの評価基準(各種指標)にも利用されています。このため、フィキシング前には、有価証券絡みの大口の売買も行われやすいという観測もあります。

以前は、ロンドン16時前後の1分間(15時59分30秒~16時00分30秒)の為替レートを対象にしていましたが、「思惑的な動きが起こりやすいので、価格計測期間を拡大すべき」との提言(金融安定理事会)を受け、2015年2月15日から、価格計測期間を5分に延長しています。

つまり、15時59分30秒~16時05分30秒。日本時間では、23時59分30秒~24時05分30秒(夏時間)、24時59分30秒~25時05分30秒(冬時間)となります。


注意点

FXはロンドン、NY市場が中心となっています。従って、ロンドン、NY市場が休日で休みの場合、相場が動かなかったり、急激な変動になる場合があります。特にこの2大市場の休日情報は確認するようにしてください。



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【時間帯別】相場の動き

3大市場がはじめる時間に相場が動きやすいという説明をしましたが、実際にチャートで解説させて頂きます。

このチャートはMT4とそのインジケーターを使用してアジア市場、ヨーロッパ市場、アメリカ市場を色分けしたものです。

緑色の部分がアジア時間、紫色の部分がヨーロッパ時間、青色がアメリカ時間です。数日間のデーターを詳しく解説させて頂きます。


2019年5月3日(雇用統計)の相場

2019年5月3日の相場を解説させて頂きます。通貨ペアはEUR/USDチャートは15分足です。緑色のアジア時間では相場が徐々に下落しています。大きな値動きは無く、一定のボックスレンジで推移しています。ヨーロッパ時間になるとアジア時間の下値を切り下げ下落幅を大きくしながらさらに下落します。一旦上昇をしはじめ、その後大きく下落した後、急激に上昇をはじめます。さらにアメリカ時間になるとその上昇幅を広げ、アジア時間、ヨーロッパ時間の高値を抜き上昇します。このように、アジア時間、ヨーロッパ時間、アメリカ時間で相場の方向が変わる場合がかなりあります。この日はアメリカの雇用統計が発表された日で、相場の動きも大きいと言えますが、各々の市場がはじめると、前の市場の動きと反対に動きはじめる場合が多く、FXで利益効率良く稼ぎたいと思っている場合は注意が必要です。

この日の場合、アジア時間では下落傾向にあったため、多くの人が下落を予想して売りで儲けている人が多いと言えます。さらにヨーロッパ時間になり下落が加速し、その含み益は増えます。ヨーロッパ時間の終盤になると下落が止まり上昇をはじめます。アメリカ時間になり、アジア時間、ヨーロッパ時間の高値を抜き上昇します。

この相場で勝ててる人は、アジア時間で売りをかけ、ヨーロッパ時間終盤で利益を確定し、その後、買った人です。一方、アジア時間、ヨーロッパ時間で買った人は、一旦、大きくドローダウンを経て、維持していた人は利益、損切りした人は損益になっています。


ストップ狩り

FXはゼロサムと言われ、誰かが損をしたら誰かが得をするプラスマイナスゼロの投資です。逆に言うと、誰かを損させれば自分が得する事ができます。ヨーロッパのディーラーはアジア時間の人を、アメリカのディーラーはヨーロッパ時間の人を損させたいと考えています。ストップロス(損切り)が起きると相場が急激に動きます。

例えば、今回、この雇用統計の結果をアメリカのディーラーが知っていたとします。このディーラーが利益を大きくとるためには、アジア時間、ヨーロッパ時間に買っている人を損切りさせ、損切りがでタイミングで買いに入り、雇用統計後、利益を確定させれば利益が最大にとれます。この日の相場は、概ねそんなストーリーとなっていたのではないでしょうか。

つまり、ヨーロッパ、アメリカのディーラーがどのような考え方(ストーリー)で相場をコントロールしているかが読めるようになればFXで効率的に利益を上げることができると言えます。

従って、アジア市場、ヨーロッパ市場、アメリカ市場を時間で分けて監視することは重要と言えます。特に、ヨーロッパ市場のはじまった後の数時間、ヨーロッパ市場の終盤、アメリカ市場がはじまった後の数時間は相場が動きます。注意して見るようにしてください。


2019年5月2日の相場

5月3日(雇用統計の日)以外の相場を分析してみます。この日は、アジア時間はほぼ値が動かずレンジ相場になっています。ヨーロッパ時間になり、アジア時間の下値を割り下落します。その後一転して上昇に反転。アジア時間の高値を抜けます。その後、アメリカ時間になり、ヨーロッパ時間の下値を割り、再度下落します。アジア時間で買った人、売った人は何れもマイナス。ヨーロッパ時間で買った人も、アメリカ時間でマイナスになったことが分かります。このように、ヨーロッパ時間、アメリカ時間で大きく相場が動きます。特に、ヨーロッパ時間ではアジア時間の高値、安値(下値)を越えたり、割ったりする場合が多く、アメリカ時間ではヨーロッパ時間の高値、安値を越えたり、割ったりする場合が多いのが特徴です。また、高値、安値を更新した直後に動きが反転する場合が多いのも特徴と言えます。時間を意識することで相場の反転が近いかを予想することもできます。



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まとめ

FX取引は相場の動きやすい時間帯を把握することで効率良く取引を行い利益を上げることが可能です。市場毎の取引量を把握し動きやすい時間に取引するようにするのがおすすめです。特に、ヨーロッパ時間、アメリカ時間の開始直後は注意が必要です。アジア時間の方向性は否定される可能性が高いので、ヨーロッパ時間、アメリカ時間を取引の主要時間とするのがおすすめです。



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