【FX取引】【国内のFX業者と海外のFX業者のスプレッドが大きく違う理由】

FX取引を行う上で手数料とスプレッドは大きく利益に影響する費用です。手数料は、一回の取引毎に徴収される固定された費用です。スプレッドは、現在の相場に対して、その時々に徴収される費用です。手数料は固定されていて、スプレッドは相場環境により変動します。今回は、その手数料とスプレッドについて国内FX業者と海外FX業者で異なる理由について解説させて頂きます。



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目次

国内業者と海外業者のスプレッド

国内のFX業者と海外のFX業者のスプレッドを比較すると、国内のFX業者が海外のFX業者にくらべ安い傾向があります。【なぜこんなに違うの】と思われている方も多いと思います。


取引方式

国内のFX業者と海外のFX業者では取引方法が異なります。国内の大部分のFX業者はDD方式(相対取引)を採用し、海外のFX業者はNDD方式を採用しています。


  • 国内:DD方式(相対取引)
  • 海外:NDD方式

ンターバンクについて
外国為替市場(がいこくかわせしじょう、英語: Foreign exchange market)とは、外国為替取引が行われる場の総称。外為市場(がいためしじょう)と略称 … この為替銀行間の取引を銀行間取引といい、その市場を銀行間市場(インターバンク市場)という。


国内:DD方式(相対取引)

国内のFX業者が採用している方式は以下の方法で取引されています。

DD方方式は、FX会社(ディーラー)がトレーダーとインターバンクの間を仲介します。


DD方式について

DD方式(別名:OTC方式・相対取引)はディーリングデスク方式>の略です。この注文は、トレーダーがだした注文をインターバンクに直接注文しません。一旦FX会社が全て注文を決済します。

一旦決済した後に【トレーダーの注文が勝ちそうなら注文は通し】【トレーダーの注文が負けそうなら注文は通さない(呑む)】しません。これは各々のFX業者が判断しています。

従って、注文を通す、通さないはFX会社の中のディーラーの裁量が入ります。これは各々のFX業者により基準が異なります。

この方式は、FX業者と注文をだす顧客とが利益相反することになります。


海外:NDD方式

一方、NDD方式は、FX会社(ディーラー)がトレーダーとインターバンクの間に介入しません。


NDD方式について

NDD方式は、ノーディーリングデスク方式の略になります。この方式は海外FX業者の多くが採用している取引方式で、ディーラーを通さずトレーダーの注文はそのままインターバンクで決済されます。

NDD方式は、FX会社側で一切トレーダーの取引に関与しないため、スプレッドからの手数料のみが収入源になります。この方式は顧客とFX会社の利益が相反しないクリーンな取引と言える。

これらの業者は顧客が儲かってたくさん取引すればするほど、業者にも手数料がたくさん入り、業者側も儲かるというWINWINの方式と言えます。



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FX業者の利益

前述の通り、国内の多くのFX業者が採用するDD方式の利益は顧客の損失です。顧客が損失を出せば出すほどFX業者は儲かります。一方、NDD方式を採用する海外のFX業者の利益は、手数料、スプレッドのみになります。

これはシステムの設計思想の違いで、FX取引を行う私達顧客は、FX業者がどのように利益を上げているかを把握している必要があります。


DD方式は【競馬の呑み行為】に似ている

【競馬の呑み行為】とは、ディーラー(開催者)が馬券の注文を受け、当たる確率が少ないであろう馬券の注文依頼をディーラーが無視して購入しないで、外れた場合はディーラー(依頼された側)が儲ける仕組みを言います。

例えば、あなたが友人のAさんに自分が買いたい馬券を3万円分買ってときてと頼みます。この際、依頼されたAさんはあなたが指定した馬券は外れると確信しているとします。このためAさんは実際には馬券を購入しません。実際にその馬券が当たらない場合、Bさんは3万円を儲けることができます。

一方、Aさんは、あなたの馬券を外れると思っていた馬券が実際に当たった場合、3万円分の馬券で当たった金額はあなたに支払う必要があります。


確率論で考える

競馬もFXも一般に言われてることですが、大多数の人が利益を上げることができません。これは統計上でも証明されています。従って、大量の資金で競馬やFX業者をやれば誰でも儲けられると言うことになります。

一般ユーザーが9割負けるというデーターを前提にすれば、FX業者はインターバンクに注文を通す必要はなく、何もしなくても勝手に負けてくれるため、FX業者が儲かることになります。


FX業者は相場コントロールもできる

DD方式を採用しているFX業者は、良く相場コントロールをしているとも言われています。国内業者はスプレッドのコントロールも容易です。

上記動画は300PIPSも開いたスプレッドについて楽天FXと電話したユーザーが投稿したものです。この動画で楽天FXの担当が言っているようにディーラーのオペレーションでの手動入力でレートを決めていると言っています。

見かけ上のスプレッドを低く抑えている国内のFX業者でも、実際の取引を行っているスプレッドは、気がつかないうちに高くなっていると言えるかも知れません。


国内業者は【スキャルピング】を禁止している

国内のFX業者はスキャルピングで利益を出したら口座が凍結されます。これは、スキャルピングでユーザーが利益をだすとFX業者のディーラーが損失を被るためです。実際に、DMMFX・外為オンライン・楽天FXなどをはじめとするDD方式の業者では高速スキャルピング、または自動売買を禁止している。

第 7 条 (禁止事項)
(9) 短時間での注文を繰り返し行う行為
引用元:店頭外国為替証拠金取引(DMM FX)約款

第 34 条(本サービスの利用の制限)
(12)本サービスの装置上、システム上の脆弱性を利用し、当社が予め想定し得ない操作が行われていると認められた場合、もしくはそのような行為と疑われる行為をしたと認められる場合。または、当社の認めていないプログラムの使用等により、当社のシステムの意図から外れた方法、もしくは過大なアクセスにより、当社のシステム及び他のお客様に影響を及ぼすと当社が判断した場合。
引用元:オンライントレード取扱規程(GMOクリック証券)

取引の方法の如何にかかわらず、当社が、短時間における連続した取引、インターバンク市場の混乱を招く取引、当社のカバー取引に影響を及ぼす取引、または過度な取引等不適切な取引であると判断したとき。
引用元:楽天FX 取引約款兼取引規定

規約については、抽象的な表現で書かれていますが、FX業者が疑いを持った場合は、どのような措置をされても文句は言えないという内容になっています。

従って、国内業者(DD方式)の業者では、スキャルピングで利益を出しても、約款違反だと出金拒否や、口座凍結のリスクがあることを理解しておく必要があります。

その他、国内業者は、ストップ狩り、不利なスリッページ、故意のレート変更、故意のリクオート、故意のシステムダウン等が行われていると言っている人もいます。



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まとめ

いかがでしたか。以上が、国内FX業者が行うDD方式と海外業者が行うNDD方式の差です。国内業者が低スプレッドにできる理由は、ユーザーの注文を任意でコントロールできるためです。但し、これは見かけの数値であって、実際に取引している場合には、大きくスプレッドが開く可能性があります。

ネットを調べると、上記のようなストップ狩り、不利なスリッページ、故意のレート変更、故意のリクオート、故意のシステムダウン等についても調べることができます。

これらの事実を理解したうえで、FX取引をどの業者で行うかを決める必要があるのではないでしょうか。


  • 国内のFX業者はユーザーの損益がFX会社の利益
  • 海外の業者は手数料・スプレッドが利益

と言う事を理解し、FX口座(業者)の選定をするのが良いのではないかと思います。また、スキャルピングを行いたいと思っている方、スキャルピングで大きな利益を国内のFX業者で稼いでいる人は、口座凍結の可能性があるため、海外のFX業者がおすすめです。

個人的には、海外のFX業者の方が、どのような取引が行われているかがクリーンでおすすめだと思います。