転職(就職)をしようと考える場合に、大企業か中小企業に応募するか迷う人も多いのではないでしょうか?これは転職に関わらず、新卒で就職する場合も同じだと思います。
私は転職経験が一回あります。新卒で就職した会社は大手企業の子会社で従業員数が1,000人程度の会社でした。転職した会社は、業界最大手の大手企業でした。従業員数も、数万人級の会社に転職しました。
その経験も踏まえ、今回は、大手企業に転職(就職)する場合のメリット・デメリットについてまとめてみました。
大手企業に就職(転職)するメリット
先ずは待遇面について大企業と中小企業ではどのくらい異なるかについて説明します。
大企業の定義
大企業(だいきぎょう)とは中小企業の基準を超える企業。特に、誰でも企業名を知っているようなものは有名企業とも呼ばれる。また、慣例として大手企業(有名企業のうち各業種のトップを占める数社~十数社)・準大手企業(大手と中堅の中間に位置する企業)・中堅企業(大企業に属する会社のうち、資本金10億円未満の企業)に分類される場合がある。法律で「大企業」そのものが定義されているわけではなく、中小企業基本法第二条で定義された「中小企業」に該当しない企業を「大企業」とみなすのが一般的である。その場合、大企業の定義は以下のようになる。1.資本金の額又は出資の総額が3億円を越え、かつ 常時使用する従業員の数が300人を越える会社及び個人であつて、製造業、建設業、運輸業その他の業種(次号から第四号までに掲げる業種を除く)に属する事業を主たる事業として営むもの。
2.資本金の額又は出資の総額が1億円を越え、かつ (and) 常時使用する従業員の数が100人を越える会社及び個人であつて、卸売業に属する事業を主たる事業として営むもの。
3.資本金の額又は出資の総額が5000万円を越え、かつ (and) 常時使用する従業員の数が100人を越える会社及び個人であつて、サービス業に属する事業を主たる事業として営むもの。
4.資本金の額又は出資の総額が5000万円を越え、かつ (and) 常時使用する従業員の数が50人を越える会社及び個人であつて、小売業に属する事業を主たる事業として営むもの
尚、その他の基準は以下のとおりである。中小企業基本法第2条の定義
資本金の額が3億円以下、又は 従業員数が300人以下の会社(製造業等の場合)を中小企業としている。租税特別措置法第42条の定義 – 資本金の額が1億円以下の会社を中小企業者としている。
目次
給与体系が安定している
大手企業の方が待遇が良い理由は資産が多いため、収益が悪くてもいきなり給与カットという様な状況にはなりません。資金繰りに余裕があるため規定の給料を安定的に支払う事ができます。
一方の中小企業については、給与制度が不明確な場合も多く、業績に影響されやすいのが特徴です。また、資金にも余裕がない場合が多く、業績が悪くなったりすると安定的な給与支給が行われない場合があります。
厚生労働省のデータで企業規模別の賃金について調べてみました。この結果、中企業の賃金に対し男性で18%、女性で12%、小企業の賃金に対し、男性で25%高く、女性で19%高い結果でした。大企業の賃金は、その他中小企業に対して高い結果であることが分りました。
企業規模別にみた賃金
また、それ以外の福利厚生についても大手企業には色々なメリットがあります。生命保険の団体割引やカフェテリアプランなどの福利厚生制度など、金銭的に多くのメリットを受ける事ができます。
カフェテリアプランとは?
カフェテリアプランとは、企業があらかじめ用意した多彩な福利厚生メニューのなかから、従業員が自分に必要なものを選んで利用する制度です。従業員は企業から“福利厚生ポイント”を付与されて、ポイントを消化する形で制度を利用するのが一般的です。もともとは1980年代にアメリカで生まれた制度ですが、ワークスタイルの多様化に伴い日本でも導入する企業が増えてきました。ちなみに、カフェテリアプランという名称は、好きな飲み物や食べ物をチョイスできるカフェテリアに由来しています。
大手企業は仕事が少ない?
一般的に企業収益は8割の収益を2割の人間が稼いでいると言われています。従って、残り8割の人間は対して働かずに収入を得ていることになります。
実際に大手企業では、多くの仕事が仕組み化されていて、それほど多くの仕事をこなさなくても業務が回るように出来ていることもその理由の1つです。
大企業は休みが多い?
中小企業に比べると大手企業は休みが多い傾向にあります。大手企業には労働組合が組織されています。その労働組合が会社側との年間休日についての交渉を行い従業員の年間休日の確保を行います。また、大手企業は、中小企業に比べ人員的な余裕があります。これらの理由から、大手企業は休暇を取りやすい労働環境にあると言えます。
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転職しやすい?
一度、大手企業に就職することができれば、転職の際に有利になる様です。その理由は、『ネームバリュー』です。新卒で大手企業に就職できる人の割合は数パーセントと言われています。また大手企業に新卒で就職できる大学は有名大学がほとんどです。
この理由は、大手企業がそのほとんどの採用を学校推薦というかたちで行っているためです。大手企業側もある程度素性のしれた社員を採用したいため、この様な形態で採用が行われているためです。このため、転職先の企業は、大手企業出身の転職者はそこそこの人材だという事を判断します。このため大手企業出身の転職者は転職が有利になる訳です。
大手企業に就職(転職)するデメリット
大手企業に転職(就職)するのはメリットだけではありません。大手企業のデメリットについてもまとめてみました。
理不尽な配置転換が日常茶飯事?
大手企業はその拠点が全国に分散している場合が多く、配置転換による転勤がつきものです。一方、中小企業はその拠点が限られている場合が多いため地方への転勤は必然的にすくなくなる場合が多い様です。
成果主義と言いながら給与の上昇スピードは内規通り
大手企業では給与制度が決められているため、どんなに成果を出しても給与上昇はその規定に従って決められます。飛び抜けた成果を出したにも関わらず、給与上昇は少なかったと感じる場合もあります。大企業はまだまだ年功序列というイメージが強い様に思います。
この様に、周りの従業員より秀でた能力があった場合、大手企業では給与水準が追い付かない場合もあります。
安定を手に入れる代わりに失うものもある
大手企業のメリットは『安定』にあります。『安定』を得る代わりに、大きく儲けることはできません。また転勤などの配置転換にも応じなければならず、『自由』という意味ではその『安定』があるかは微妙なところです。
今後も大企業は安泰?
大手企業の社員は、会社にぶら下がることで『安定』を手に入れています。度重なる配置転換などにより、専門性のない仕事を続けて来た場合など、いざ会社が傾いた時や、リストラの対象になった時に、何も1人では出来なかったということもあり得ます。
最近のシャープの事例を見ても大手企業が確実に安泰とも言えない時代にはいったと思います。
弱腰批判も シャープ労組、3500人リストラ受け入れへ 「争っている場合では…」給与カットも
会社側が提案した希望退職は、45~59歳の社員約3500人が対象で、7月27日から8月4日まで募集を行う。退職日は9月30日。割増退職金は50歳がピークで26カ月分前後となった。希望退職に伴う割増退職金などの費用は約350億円で、平成28年3月期に特別損失として計上する。http://www.sankei.com/west/news/150617/wst1506170017-n1.html
大手企業に転職(就職)すべきか?
私個人の意見としては、転職(就職)できるのであれば、先ずは、大手企業に就職するのがいいと思います。給与面での心配が少なく、中小企業に比べ休みも多いため、また、転職の際も有利になります。十分なキャリアを身につけた後でも中小企業への転職は可能です。大手企業にいる間に、独立の準備を進めるのも時間的な余裕がある大企業の方が有利と言えます。
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